健康保険には、1ヶ月間(1日から月末まで)に医療機関の窓口で支払った医療費が高額となった場合、申請により自己負担限度額を超えた額が払い戻されるという「高額療養費制度」があります。この制度では、後から自己負担限度額を超えた額が払い戻されるものの、その払い戻しまでは4ヶ月程度が必要であることから、その間、本人が立て替えなければならないため、大きな負担となっています。
この立て替えをなくすために、入院時においては、予め手続きをしておくことにより窓口での支払いが自己負担限度額までとなる取扱い(現物給付)が設けられていますが、これが平成24年4月より外来での支払いについても拡大されることとなりました。そこで以下では、現状ある制度の確認としてこの入院時の取扱いと自己負担限度額について解説しましょう。
入院時に提示する「限度額適用認定証」
健康保険の被保険者および被扶養者(70歳未満)が入院する際、予め以下の手続きを行い「限度額適用認定証」を窓口で提示することにより、入院時の1ヶ月(1日から月末まで)の窓口での支払いを自己負担限度額までとすることができます(差額ベッド代などの保険外負担分や食事代等は別途費用がかかります)。
協会けんぽの場合の限度額適用認定証の発行は以下の流れとなっています。
①入院が決まったら、「健康保険限度額適用認定申請書」に保険証のコピーを添付の上、保険証に記載されている協会けんぽ都道府県支部へ提出する。
②申請から1週間程度で「限度額適用認定証」が発行され、送付される。
③入院するときに、窓口に健康保険証と併せて「限度額適用認定証」を提示する。
自己負担額
自己負担限度額は、被保険者の所得区分により下表の3つに分類され、計算式が定められています。
| 被保険者所得区分 | 自己負担限度額 | 多数該当※2 |
| ①上位所得者(標準報酬月額53万円以上) | 150,000円+(総医療費-500,000円)×1% | 83,400円 |
| ②一般所得者(①および③以外) | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
| ③低所得者※1 | 35,400円 | 24,600円 |
※1 被保険者が市区町村民税の非課税者等である場合。なお、被保険者の市区町村民税が非課税等であっても、上位所得者に該当する場合の所得区分は上位所得者となる。
※2 療養を受けた月以前の1年間に、3ヶ月以上の高額療養費の支給を受けた(限度額適用認定証を使用し、自己負担限度額を負担した場合も含む)場合、4ヶ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減される。