今年も師走に入り何かと気忙しくなってまいりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
今月は、最近感心した老朽化した団地の再利用に関して面白いプロジェクトありましたので、お伝えしたいと思います。このプロジェクトは東京都日野市の昭和35年に建築された多摩平団地の再利用で、従前の居住者の移転が完了した住棟をUR都市機構から民間事業者に賃貸(15年から20年間の定期借家契約)するというものです。その建物を借り受けた民間業者が建物を改修して利用します。団地の特色としては、建ぺい率を10%程度しか使用していないため、空間にとても余裕があります。民間の賃貸マンション等を考えますと、空間の使い方はとても贅沢です。今回の多摩平団地の計画は、3社が参加しました。
実際にできたものは、2棟が団地型シェアハウス(共同住宅50戸)で若い世代をターゲットにした賃貸住宅です。住戸は2階から4階で、1階には共用スペースとしてのリビングダイニングやバーベキューなどもできそうなデッキテラスがあります。また、オリックスのカーシェアリングの自動車も2台設置してありました。
もう一つは、菜園を持つ生活をテーマにした共同住宅です。1階の住戸には、庭とテラスが付きます。また貸農園もあり、面白いのが貸農園に専用の小屋と庭もついた区画もあります。北欧では、週末になると菜園のある小屋で土いじりや日曜大工などをして過ごすという習慣があるそうです。短い夏の期間を十分に楽しむということからの習慣なのでしょうか。この小屋付貸農園は、そんな北欧の習慣からアイデアを得ているようです。スペースに余裕がある団地ならではのアイデアだと思います。
最後の一つは高齢者専用住宅としての利用です。1階には食堂と訪問介護事業所が設置されており、高齢者が安心して住めるような環境を整備しております。昭和35年築の団地であるため、当然エレベーターはありませんが、建物の外側に廊下とエレベーターを新たに作ることによって、段差のない高齢者にとって快適な環境となっております。
この試みは、築50年の団地の再利用という今までにない発想です。都市計画をいう視点で考えても、とても面白いと思います。コンクリートの理論的な耐用年数は100年だと聞いたことがありますが、水道管などを新設すればまだまだ使用できるということなのだと思います。また、3社のアイデアも秀逸で、スクラップ・アンド・ビルドした高層の新しい団地よりも魅力的な住まいです。このプロジェクトは、これからの日本で豊かに生活していくためのヒントが詰まっていると思います。皆様も興味がございましたらインターネットで御覧になってみては如何でしょうか。
りえんと多摩平(団地型シェアハウス) http://www.share-place.com/06_08.shtml
AURA243多摩平の森(菜園付の共同住宅) http://www.tanabe-bussan.co.jp/aura243/index.html
ゆいまーる多摩平(高齢者専用住宅) http://yui-tamadaira.net/
また、先月の事務所通信でお伝えしました私の腰の病気である脊柱管狭窄症ですが、1か月半程飲み続けていた薬がようやく効き始めまして、何とか日常生活には不自由のないところまで回復できました。皆様には、いろいろご心配をお掛けして申し訳ございません。皆様からいろいろな情報を教えて頂きまして、大変感謝しております。今は、当たり前のことができることの喜びを噛み締めております。
健康保険には、1ヶ月間(1日から月末まで)に医療機関の窓口で支払った医療費が高額となった場合、申請により自己負担限度額を超えた額が払い戻されるという「高額療養費制度」があります。この制度では、後から自己負担限度額を超えた額が払い戻されるものの、その払い戻しまでは4ヶ月程度が必要であることから、その間、本人が立て替えなければならないため、大きな負担となっています。
この立て替えをなくすために、入院時においては、予め手続きをしておくことにより窓口での支払いが自己負担限度額までとなる取扱い(現物給付)が設けられていますが、これが平成24年4月より外来での支払いについても拡大されることとなりました。そこで以下では、現状ある制度の確認としてこの入院時の取扱いと自己負担限度額について解説しましょう。
入院時に提示する「限度額適用認定証」
健康保険の被保険者および被扶養者(70歳未満)が入院する際、予め以下の手続きを行い「限度額適用認定証」を窓口で提示することにより、入院時の1ヶ月(1日から月末まで)の窓口での支払いを自己負担限度額までとすることができます(差額ベッド代などの保険外負担分や食事代等は別途費用がかかります)。
協会けんぽの場合の限度額適用認定証の発行は以下の流れとなっています。
①入院が決まったら、「健康保険限度額適用認定申請書」に保険証のコピーを添付の上、保険証に記載されている協会けんぽ都道府県支部へ提出する。
②申請から1週間程度で「限度額適用認定証」が発行され、送付される。
③入院するときに、窓口に健康保険証と併せて「限度額適用認定証」を提示する。
自己負担額
自己負担限度額は、被保険者の所得区分により下表の3つに分類され、計算式が定められています。
| 被保険者所得区分 | 自己負担限度額 | 多数該当※2 |
| ①上位所得者(標準報酬月額53万円以上) | 150,000円+(総医療費-500,000円)×1% | 83,400円 |
| ②一般所得者(①および③以外) | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
| ③低所得者※1 | 35,400円 | 24,600円 |
※1 被保険者が市区町村民税の非課税者等である場合。なお、被保険者の市区町村民税が非課税等であっても、上位所得者に該当する場合の所得区分は上位所得者となる。
※2 療養を受けた月以前の1年間に、3ヶ月以上の高額療養費の支給を受けた(限度額適用認定証を使用し、自己負担限度額を負担した場合も含む)場合、4ヶ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減される。
澄み渡る秋、皆様におかれましては、ますますご繁盛の事とお喜び申し上げます。
皆さんは厄年を信じますでしょうか。42歳(数え年で43歳)の私にとって今年は、後厄の年となります。昨年の年末に乗ったタクシーの運転手さんが、後厄の年に道を歩いていると新聞配達のバイクに衝突し、3ヶ月間入院して、やっとの思いで退院したら会社をクビになってしまい、昨年からタクシーの運転手になったという強烈な身の上話を聞かせ頂きました。話の最後に、「後厄は、ききますよ。」という言葉が妙に心に残りながら、お正月を迎え後厄の本年がスタートしました。
9月には、妻からの勧めで脳ドックを初めて受診しました。脳は全く問題なかったのですが、日頃の不摂生がたたり、ガンマ値が再び高くなっておりました。お酒を2週間ほど止めて、リベンジの血液検査を近くの整形外科クリニックでお願いし、最近気になっていた足と腰の痛みを相談したところ、「脊柱管狭窄症」と診断されてしまいました。脊髄の中には脊柱管という管があり、その中には水が入っており、その水の中に神経が通っているそうです。その脊柱管をヘルニアなどで圧迫された状態を「脊柱管狭窄症」といい、特徴的な症状は間欠跛行と呼ばれる歩行障害です。間欠跛行とは歩行中に腰から足にかけて痛みやしびれが現れて歩けなくなり、しばらく休むと回復して歩けるようになる症状をいいます。私の気になっていた症状は、この間欠跛行と呼ばれるものでした。診断されて1週間は、だいぶ消極的になってしまいましたが、この病気のことを勉強して、従来の一か月を要していた手術も、狭窄の程度が軽ければ内視鏡による手術ができ、一週間程度で仕事に復帰できることなどを知りました。診断1週間後に脊髄のMRIを撮影したところ、椎間板ヘルニアがあり、その出っ張った椎間板が脊髄の中を通る脊柱管を圧迫している様子が見てとれました。幸いにもヘルニアの症状はほとんどなく、座っているときは全く問題がありません。私が通っている整形外科は、定期的に慶応大学病院から医師が応援に来ております。その医師にMRIの写真を診て頂いて、手術は必要ないと仰って頂いたので少し安心しました。慶応大学病院は、脊柱管狭窄症の内視鏡手術を年間140症例程度行っております。私としては、多少のリスクがあっても症例の多い病院で手術をして、早く良くなりたいと思っていたのですが、その医師の説明にも納得できたので、焦らずに気を落ち着けて薬やストレッチ等の保存療法(手術以外の方法)に専念することにしました。
以上のことは事務所通信で書くべきか悩みましたが、必ず後厄の今年中に完治したいという意思があるためにあえて書かせて頂きました。自分の体の不甲斐無さを嘆きつつ、今はただ克服しなければならない事のために最大限の努力と強い気構えで一日一日を過ごしております。ただ、厄年を機会に今までの不摂生を反省し、健康にも配慮した生活を心がけないといけない年なのだと実感しております。
いよいよ、年末調整実施月となりました。12月に行っておくべき年末調整の事柄をお知らせしたいと思います。
平成23年12月分 年末調整確認表
まず年末調整に関し、12月に確認すべきことあるいは行っておくべきことを、以下の表で確認しましょう。
| 項 目 | 確認すべき/行っておくべきこと |
| 年間給与の確定 | □1年間の給与の確定…今年最終の締日を確認し、1年間の給与を確定しましょう。 |
| 年末調整の計算 | □当事務所依頼の場合は、締め切りまでに書類を送り、年間給与を連絡した上で、いつまでに計算結果を受領できるかを確認 …年内最終の給与支払時に年末調整による過不足分を精算する場合には、支給日から逆算して具体的な日付を連絡しましょう。 |
| 年末調整による 過不足精算 | □対象者へ返金する金額又は徴収する金額を各人別に確認 …いつ精算するか(年内、年明け)、どうやって精算するか(給与支給に上乗せ、手渡し等)を確認しましょう。 |
| 1人別源泉徴収票作成 | □3部作成し、各々へ交付等を行ったか(全ての人が対象) ◆本人交付用…本人へ渡す ◆税務署提出用…該当者は所轄税務署へ提出(翌年1月31日期限) ◆市町村提出用…本人住所地の市町村へ提出(翌年1月31日期限) |
| 所得税徴収高計算書 (納付書)作成 | □次のいずれかで処理したか ◆納付金額が0円の場合…税務署へ納付書を提出 …翌月以降に繰越す場合には、繰越金額を控えておきましょう。 ◆納付金額がある場合…原則、翌月10日までに納付 |
| 年度更新作業 | □平成24年分扶養控除等申告書と照らし合わせ、追加修正等を行ったか |
年末調整の注意点
12月は、最終の給与計算が確定する前までに、年末調整で必要な資料の回収、確認を完了させ、最終の給与計算が確定した後、計算~納付書作成まで一気に行います。特に、年内最後の給与支払時に年末調整による税金の過不足分を精算する場合には、給与支払日(金融機関振込の場合には振込依頼日)までに金額を確定しなければなりません。今年は23日が祝日、24日は土曜日、25日が日曜日と金融機関が3連休となりますので、この時期に給与を支払う事業所にあっては、給与締日から支払日(振込依頼日)までのスケジューリングが重要となります。
また、1人別源泉徴収票は、年末調整対象者に限らず全ての人に対し、原則来年1月最初の給与支払時までに作成し、本人へ交付することが義務付けられています。市町村提出は本人の平成24年1月1日現在の住所地へ提出することになりますので、年末年始に引越し等はないかどうか、平成24年分扶養控除等申告書等でしっかり確認を行いましょう。
秋晴れの心地良い季節となりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
3月11日の東日本大震災以後、未だ復興の目途が立たない日本において、今後どのような未来が考えられるでしょうか。野田首相の復興増税や消費税増税の議論に関しては、日本の将来を考えますと個人的には賛成をしております。負担を将来に廻さないという姿勢は、政治家として潔い選択だと思いますが、民主党の党内調整が紛糾している様は、民主党議員の選挙対策などの思惑が見え隠れしており、政権与党としての自覚が足りないような気がします。一時、相続税も復興増税に含めるという議論がありましたが、その増税対象となる期間に、たまたま亡くなった人の相続税に追加的な負担を求めるのは租税負担の公平性の観点から容認できるものでは無いと考えておりましたが、結果的には相続税は復興増税に含めないと決まったようです。
復興増税に関して、心配なのは景気の問題と工場などの生産設備の海外移転に拍車がかかってしまうことです。ギリシャなどのデフォルト懸念を抱えたEU、国債格付けの下げや失業率の増加に苦しむアメリカ、経済状態が全く良くないのに消去法的に買われてしまい戦後最高値になってしまった円高問題など、日本経済を取り巻く環境は依然厳しい状態が続いております。また、世界経済が中国の好景気に支えられておりましたが、最近中国経済も減速に転じてきたようです。特に巨大になった中国の不動産バブルの崩壊が現実味を帯びてきているのは不気味です。
今後必要となる財政再建のためには、公務員の給与水準を民間の給与水準程度に調整していくべきだと思います。バブル時代に、民間給与水準が高くなり、それに揃えるようにして公務員給与の水準も高くなった経緯がありますが、その後のバブル崩壊後においても高止まりしており、民間の給与水準との乖離は大きくなっております。もちろん財政の問題で公務員としての正規職員の採用人数は減らしておりますので、その分非正規職員の数も多くなってきているようです。その顕著なこととしては、失業者に職を斡旋するハローワークの職員の60%が非正規職員だそうです。給与水準の問題は公務員の組合が強いことから、「言うは易し行うは難し」ということですが民主党には頑張って頂きたいと思います。
また、年々増加する生活保護を受けている方に関して、生活保護の手当が基礎年金よりも多いとの批判があります。基礎年金にしても、生活保護手当に関しても考え方の根源は、憲法で保障されている「健康で文化的な生活」にあると思います。憲法制定当時と今では生活水準も変わっておりますので、国が保障すべき「健康で文化的な最低限の生活」をするために、いくら必要なのかを再検討すべきだと思います。いずれにしてもワーキングプアと呼ばれるような厳しい就労環境で生活している人よりも生活保護を受けている人が良い暮らしをしていることがある場合には、勤労者の就業意欲を失わせるのではないでしょうか。
また、雇用の改善も行わなければなりませんが、社会保険料の毎年の増額や、労働法の強化など労働者に対する権利保護に関してはこの10年間で改善されたと思います。しかし、その一方で企業は正規雇用をするためのコストとリスクが増大しております。その結果、非正規雇用が増大するという悪循環に入っていると思います。特に若い人達が、夢や希望を持てるような活気のある日本に復興させるためには、規制ではなく寛容さが大切なのだと思います。